日記

手を繋ぐこと

娘は今年中学1年生になった(2020.11.9現在)。

僕ががんになり、娘に伝えたのは小学校2年生のとき。あれから5年、子供が子供らしく生活する上で、僕ががんであることが生み出す弊害は沢山あったと思う。

色んな行事に参加出来なかったり、僕の見た目の変化の友達たちの反応だったり、旅行が減ったこと、そもそも無理が効かなくなったこと。数え上げたらきりがない。

特に学校行事はなるべく出るようにしていたから、急に来ないのは娘の心にどんな風に影響するのか?

学校行事は必ず妻と2人で参加していた。自分で言うのもあれだけど、いつもピシッとお洒落なお父さんだっただけに、段々とムーンフェイスになっていき、細身のスーツが着れなくなって帽子が手放せない。そしていつの間にか、来なくなったパパ。いや、来れなくなった、か。

「何を言ってるの?パパはパパだから」

僕が授業参観に行っていいか訊いた時の、娘の応え。まん丸アンパンマンみたいな顔で、眉毛がなくて、それでもパパはパパ。別にいいでしょ、と。当たり前みたいな風に言ってくれた。

嬉しかった。

「僕ががんじゃなかったら」。

そればかり考えていた。「僕ががんじゃなかったら」。もっとあちこち旅行にも行けるし、途中で休憩したり、切り上げて家に帰って寝込むこともないだろう。今でもバリバリ仕事をこなして、顔を合わせる時間は減るけれど、しっかりした収入で家庭を支える事が出来る。

もしも…なんて話をしても意味がないのはわかっている。それでも考えてしまう。そして、未だ手を繋いでくれる娘が、愛おしくてたまらない。いや、手を繋ぐことで僕を支えてくれる娘が、かな。

そして今僕が出来ることは、握った手をお返しに、強く握り返すことだ。

ABOUT ME
kenken
2015年11月に肺腺がんステージ4、余命1年の宣告を受ける。 只今、元気にアディショナルタイムを駆け抜け中! 呟いたりもします。 noteも始めました。