日記

月の光 がんと生きる

来月、2020年2月、娘のピアノの発表会がある。娘が弾く曲は、僕の大好きなドビュッシーの「月の光」。ピアノ発表会は年に1回で、去年の発表会明けから、娘は「月の光」を1年通して練習している。

ぶっちゃけると、今年のピアノ発表会は聴けないと思っていた。だから、僕のお葬式の時に、娘に弾いてもらおうと僕は心に決めていた。なのに、どうやら発表会に行けそうだ。

2015年の11月に宣告され、余命は1年だった。桜は翌年に花を咲かせ、散り、葉を落とす。そこまで付き合うのが精一杯なんだと、腹を括らなければいけなかった。まさかその翌年に、いつもの桜よりも、嘘のように鮮やかな桜を見ることが出来るとは、夢にも思っていなかった。

そして、今度はピアノ発表会。

毎日、練習する娘の「月の光」が、少しずつ、優しく、伸びやかな弾き方に成長していく。ひと粒ひと粒の音の隙間から、娘の呼吸が聴こえそうな、優しい「月の光」。

生きていると、本当に何が起こるかわからないものだ。発表会は来月だって。宝物がまた増える。

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kenken
2015年11月に肺腺がんステージ4、余命1年の宣告を受ける。 只今、元気にアディショナルタイムを駆け抜け中! 呟いたりもします。 noteも始めました。