全仏テニスオープン観戦

2019年6月3日(月)。
ドセタキセル7日目。
全仏テニスオープンをテレビで観戦するのが大好きだ。
錦織選手が悪戦苦闘しながら、じわじわとペースを上げて勝ち上がっていくさまは、心の底から「頑張れ!」と応援したくなる。ぶっちゃけ彼はサーブが強い武器なわけでもないし、毎回サックリと試合に勝つわけでもないので、1試合観戦するとどっと疲れが出てしまうような試合展開が多いのだが、大きな声で
「頑張れ!!!」
「のわーーーーっ!」
なんて、ご近所さんにまる聞こえのリアクションと声を張り上げながら、観戦を楽しんでいる。そして、気が付けば錦織選手は、2年ぶりのベスト8まで上り詰めた。
がん闘病と笑いとストレス

笑うことで免疫力が上がると言われている。笑うと免疫力が上がり、がんを攻撃するNK細胞が活性化され、がんに良いとよく耳にする。
一方で、ストレスはよくないとされている。ストレスががんを生むとも言われている。
じゃあ、このテニス観戦はどうなんだろう。
錦織選手の今日の4回戦、ペール戦にしても最初はサクッと1セットを先取。あれよあれよと決める場面も多く、リビングで僕は1人ガッツポーズを決めるほど(笑)。からの、気が付けば、日没サスペンデッド。日が落ちるので、途中でゲームは終わり、翌日に順延。翌日の今日は4セット目から始まり、1セット取れば勝ちというゲームだったのに、なんだか「今日1セット目からゲームをしました」みたいなすったもんだの展開。気が付けば、みっちみちのフルセットマッチだった・・・。
つまりは、
「うーーーーーっ!」
「ちょっとーーーーっ!」
なんて、歯をギリギリ食いしばるような時間がどんどん増えていった。これはストレスかな?がんで言う所の交感神経が活発に働いて、ストレスを与えている状況。がんに悪いとされるやつだ。だけど、そんな中でも時折バシッと錦織選手が決めてくれる場面で、こぶしを握る。
「よしっ!」
これは?興奮状態だから、やっぱりストレスなのだろうか?でも、安堵の気持ちも含まれているので、副交感神経が活発化して、癒しの効果があるとされる免疫力アップではないのだろうか?
なんて、本当のところは定かではないけれど、僕の気持ち的には免疫力はアゲアゲだ。
「頑張れ!」と応援する気持ち、錦織選手が放つ躍動感、彼そのものが放つ生命力に感化され、僕自身イキイキするのを実感する。がん撃退に笑いは効果があると良く耳にするのと同じように、僕はがん撃退にスポーツ観戦なども効果的な手段だと思う。
いや、今回の件で言えば、「がん撃退に錦織選手が効果的」といったところだ。
限りない絶望の中で

明日はナダル戦だ。ナダルは前回の全仏王者で最多の11回の優勝を遂げている化け物みたいな選手。しかも、全仏では90勝目をあげている。みたいな選手ではなく、化け物だな(笑)。
そんなナダル相手に、錦織選手は何を思うのだろう。
多くの人は錦織選手はナダルに勝てないと思うだろう。ぶっちゃけ、僕も思っている。というか、思ってしまう。恐らく、それが普通と言ったら失礼だけど、常識に近い考え方だと思う。でも、だからと言って、
「善戦しよう!」
なんて、生ぬるい考えで錦織選手はナダルと対峙するのだろうか?
きっと違うと思う。
「勝ってやる!」
そんな前のめりな思考なのだろうか?錦織選手は他に類を見ない優れた選手だ。すべてのアクションにおいてビジョンもしっかり持てるだろうし、計算し尽くされた世界でスポーツと対峙する能力にも長けているはずだ。そこで少年のごとく「勝ってやる!」なんて安易な「妄想」に囚われるとは思えない。
じゃあ、どんな気持ちで錦織選手はナダルと対峙するのだろう。
僕はそれを見届けたい。
(ぶっちゃけすぎるとあれなので、小声程度で)「僕は毎日絶望の中にいる」(笑)。僕ががんに勝てる未来はない。別に鬱気味な思考でそう考えるわけではなく、自暴自棄になっているわけでもない。たくさんの結果、実績がそう証明している。だから、すぐに不安になるし、怖くなるし、泣くときもある。
そんなとき、どう戦っていけばいいのだろう。
限りない絶望の中で、僕は錦織選手の背中を見たい。


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